
結婚指輪を買ってくれない、着けたくない男性への向き合い方
結婚指輪は、いつの時代も女性の憧れです。また、目に見える結婚の証として、結婚指輪を着けると心が引き締まる思いですね。
しかし世の男性の中には、指輪なんていらない、と考える人が一定数います。長い結婚生活の中で、仕事都合や体形変化で次第に着けなくなった、という話も聞きますが、最初から全否定されるのは女性としては納得がいきません。
この現実をどうとらえ、どう解決していくか、2つの事例を取り上げて考えてみましょう。
1. そのうち買おうねって、いつのこと?
あるご夫婦は、指輪はおろか結婚式も新婚旅行もなし。というのも、夫がどれも無駄だからやめよう、と提案したからです。
妻としては、せめて結婚した証として指輪だけでも欲しい、と主張したところ、じゃあいつか買いにいこうね、と夫も承諾してくれたそうです。
そして、1年後の結婚記念日、彼女は内心、結婚指輪を夫が用意してくれることを期待していました。しかし夫は忘れているのか、そんな気配はまったくなし。
時は過ぎ、数カ月後には2度目の結婚記念日がやってきますが、彼女はもう夫が指輪を買う気などないとあきらめています。
2. 君との結婚指輪は着けられない?
前妻と死別した男性と結婚した女性のお悩みは「君との結婚指輪は着けられない」と、はっきり断られたこと。
前妻との結婚生活では指輪をずっと着用し、死後1年たっても外すことができなかったとか。なのに現在の妻と作った結婚指輪を拒否するだけでなく、自分が再婚したことすら周囲に知られたくないと主張する始末。
この女性は「自分は結局、夫の一番の女性にはなれないのか」と、虚無感におそわれているそうです。
3. 指輪よりも欲しかった、思いやり
以上、2つの事例を見てきましたが、女性の立場からするとひどい話ですね。
どちらの女性も指輪に執着しているようにも受け取れますが、本心は自分に気遣いを見せてほしかったのではないでしょうか。
この夫たちは、ふだんから妻への愛情表現が乏しく、共感力もない。だから、妻の心のなかで日常的な小さな空虚感がだんだん大きくなり、それを指輪に投影しているのです。
毎日が愛にあふれ、充実感で満たされていれば、結婚指輪を「買わない、着けない」は、それほど気にならないものです。充実感というのは、お互いの心がつながっている、と実感できることです。
では、自分のやるせない気持ちに振り回されず、どうやってこの現状を乗り切ればいいのでしょうか。
まずは、自分の気持ちを正直に打ち明けてみましょう。いつか指輪を「買ってくれる」「着けてくれる」と、相手の変化を待ち望んでも、そのいつかはやってきません。
どうしても指輪を買いたい、指輪を着けてもらいたい、という意思表示をしないと、鈍感な男性は女性の気持ちに気付きません。そしてここが肝心なのですが、「自分は愛されていないと感じてそれが辛い」と、相手に伝えることです。
性格にもよりますが、夫は「そんなの気のせいだよ」とか言ってごまかそうとするかもしれません。しかし、そこで黙ってしまっては、元も子もありません。
まじめに向き合ってくれるまで、冷静に数回にわたって伝えてみましょう。そして、日常のささいな行き違いがあったときも、気持ちを飲み込まずに、自分はこう思うと主張してみるといいと思います。
こうしてコミュニケーションを深めていくと、もともとお互いへの愛情があるわけですから、夫も考えを改めてくれることは大いにありえます。
「まさかそれほど深刻に悩んでいたとは」と、夫は内心ドキッとしているかもしれませんね。
夫婦は、人生という旅を同じ船で乗り越えていくひとつのチームです。お互いを思いやり、協力していかないと船は転覆、または座礁する危険もあります。
結婚指輪の問題は夫婦のあるべき姿に気付く、よいチャンスなのかもしれません。